2010年8月の読書
8月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:7857ページ
冬日淡々―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎時代小説文庫)
最近はびくびくしながら読んでいる。守るべき人が増えているから。渾身の剣が病を抑え命をよみがえらす場面でほっとした。
読了日:08月31日 著者:佐伯 泰英
悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)
完成度の高さを改めて認識した。スケールが大きい上に緻密。文庫本で読んだのが残念。
読了日:08月29日 著者:水木 しげる
PEACE MAKER 5 (ヤングジャンプコミックス)
1巻から通して読んだ。純正の西部劇ではない。文句なしのうまさ、面白さ。でも『無限の住人』同様に殺人が当然の世界に不安と当惑は残る。
読了日:08月28日 著者:皆川 亮二
賭博堕天録カイジ 和也編(1) (ヤングマガジンコミックス)
久々。少し文学的になった。
読了日:08月28日 著者:福本 伸行
ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系
ビジネスの話は難しい。
読了日:08月28日 著者:岡本 真,仲俣 暁生,津田大介,橋本大也,長尾真,野口祐子,渡辺智暁,金正勲
史記武帝紀 3
死は等しくおとなうが、時期はまちまちだ。
読了日:08月21日 著者:北方 謙三
思い出袋 (岩波新書)
著者の血肉同然の言葉の数々は時々読みを中断させる。意外に読みづらい。でも読みやすくもある。しばらくすると読み返したくなる。題名の通りだ。
読了日:08月21日 著者:鶴見 俊輔
花と流れ星
先発・中継ぎ・押さえが秀逸。
読了日:08月16日 著者:道尾 秀介
天海の秘宝(下)
蝸牛、病葉十三、武蔵の殺陣をもっと見たかった。これ以上長くなると完結しないから仕方がありませんね。
読了日:08月16日 著者:夢枕 獏
御不浄バトル
悪徳商法の方向に話が展開したので題名が生かされず。がノンストップで読むという道しかなかった。どちらにしても現代日本を語る上で欠かせないテーマをまっすぐ描いた。
読了日:08月16日 著者:羽田 圭介
本の雑誌 326号
今月の一冊とクロ日記が必読。毎回この順番で読みます。
読了日:08月16日 著者:
なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)
今、必読書。
読了日:08月15日 著者:上杉 隆
記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争 (小学館101新書)
今の必読書。
読了日:08月15日 著者:上杉 隆
秘密とウソと報道 (幻冬舎新書)
必読書。
読了日:08月15日 著者:日垣 隆
楽しく稼ぐ本 (だいわ文庫)
「とりあえずやってみるか」という気になってみたいが・・・・・・・あれこれ新たな視点に気づかせてくれる啓蒙書。
読了日:08月11日 著者:日垣 隆,岡本吏郎
死ねばいいのに
こんなにも人は感情を核に考える。途中で誰かが乱入してきそうな気配もあったが、無事着地。ありがたいことだ。
読了日:08月09日 著者:京極 夏彦
ジパング(43) <完> (モーニングKC)
時間ものSF風らしい余韻の残るラストですべて納得。
読了日:08月09日 著者:かわぐち かいじ
最強!都立あおい坂高校野球部 26 最後の一球!! (少年サンデーコミックス)
最高熱血高校野球漫画!堂々の大団円。ドラゴンボール化せずに無事終わって安心した。
読了日:08月09日 著者:田中 モトユキ
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
突然出て行くポアロ、突然愛を告白するヘイスティングス。結構ふざけたところもあるミステリー。
読了日:08月09日 著者:アガサ クリスティー
ゲゲゲの鬼太郎 (2) (ちくま文庫)
作者の懐の広さ深さを知るかっこうの短編集。
読了日:08月08日 著者:水木 しげる
無限の住人(1) (アフタヌーンKC (90))
最初から希望の少ない話。切れ味が良すぎる。
読了日:08月07日 著者:沙村 広明
無限の住人(26) (アフタヌーンKC)
残酷さ、軽妙さ、かっこよさ、美しさ、派手さ、地味さ、汚さ、饒舌、省略などのちゃんこ鍋。救いのなさを思わず忘れてしまう。
読了日:08月07日 著者:沙村 広明
ONE PIECE 59 (ジャンプコミックス)
エースの死も白ひげの死も信じかねるが、これからの展開に厚みを与えたことは確か。
読了日:08月07日 著者:尾田 栄一郎
うさぎ幻化行 (創元クライム・クラブ)
音を使って人の行動をある方面に誘導する。人は自覚せぬまま殺人鬼となる。次の章があれば実は義兄は実は生きていたという話になったのかな。
読了日:08月05日 著者:北森 鴻
史記 武帝紀 2
主人公大勢歴史痛快小説に正邪の区別はない。
読了日:08月04日 著者:北方 謙三
ノンストップ! (文春文庫)
視点が変わるたびに流れが途切れたがなんとか一気読みできた。
読了日:08月04日 著者:サイモン・カーニック
ゲゲゲの女房
まさに内助の功。水木ワールドよりもおおらかな著者のひととなりもよくわかる。
読了日:08月03日 著者:武良布枝
森繁さんの長い影
著者が八十近い年齢がとうてい信じがたい。孫の話題がいくつかあってもその若々しさが印象に残る。
読了日:08月02日 著者:小林 信彦
読書メーター
2010年7月の読書
7月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4444ページ
秘闘 奥右筆秘帳 (講談社文庫)
真相や策略よりもけれんたっぷりのチャンバラシーンが充実していてよい。迫力、緊張感あり。
読了日:07月27日 著者:上田 秀人
天海の秘宝(上)
「辻斬り」の話が後でドカンと割り込んでとんでもなく予想外の展開になってほしい。
読了日:07月26日 著者:夢枕 獏
仇敵― 密命・決戦前夜〈巻之二十三〉 (祥伝社文庫)
もっと読みたくなる短さのみが欠点。朝の連続TV小説風の短さで物足りない。久々に緊張感みなぎるいい展開だっただけに。
読了日:07月24日 著者:佐伯 泰英
史記 武帝紀〈1〉
皇帝を描き、将軍を描き、使者を描き、少年を描く。『水滸伝』とはまた違う面白さ。
読了日:07月23日 著者:北方 謙三
書店員のネコ日和
ひじょうに丁寧な語り口で恐縮してしまう『猫との日々』つまり猫本。プラス本本または本屋本で実に気持ちの落ち着く本でした。
読了日:07月22日 著者:田口 久美子
手作り弁当を食べてる場合ですよ 格差社会を生き抜く処方箋 (角川oneテーマ21)
著者の魅力、実力、追究力、判断力、突破力・・・・・・大爆発の大傑作評論エッセイ。文句なく面白い。
読了日:07月19日 著者:日垣 隆
伊藤計劃記録
短編小説、対談、映画評など。
読了日:07月18日 著者:伊藤計劃
電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)
取り次ぎ、再販制の歴史を振り返りつつ、音楽ジャンルの先進性を語る点が新しいかも。
読了日:07月14日 著者:佐々木 俊尚
電子書籍元年 iPad&キンドルで本と出版業界は激変するか?
類書中、最も丁寧で読みやすい。電子書籍の位置づけや意味合いがよくわかる。本当に日本で定着するのだろうか。
読了日:07月13日 著者:田代真人
ぼくらのひみつ (想像力の文学)
事実の捏造小説。
読了日:07月13日 著者:藤谷治
おりこうさん おばかさんのお金の使い方 (ソフトバンク文庫NF)
りこうの線を行っていると思いきや・・・トホホでした。
読了日:07月13日 著者:板倉 雄一郎
小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
佳品。要再読。
読了日:07月11日 著者:宮部 みゆき
からけつ用心棒 〔曲斬り陣九郎〕 (祥伝社文庫)
曲切り陣九郎、手ひどい苦渋の経験を経ている割にはおっとりした浪人だ。凄腕の敵も妙に人がいいような印象。波瀾万丈ではないが次に期待できそうな雰囲気がそこここから感じられる。
読了日:07月10日 著者:芦川 淳一
トップコンサルタントがPTA会長をやってみた—発想力の共育法
副題の「発想力の共育法」の実践録。簡単そうで困難。著者は驚きの挑戦者だ。必読書。必携書。
読了日:07月03日 著者:三谷 宏治
読書メーター
2010年6月の読書
6月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2267ページ
いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」 (アスカビジネス)
五感を総動員する。ネットや古書を使って単に調べるのとは違う。独自の調べる力をつけるための本。
読了日:06月21日 著者:関沢 英彦
顧客創造「1日15分メモ」―超多忙な現場でも実践できる「すきま時間プログラム」初公開 (ワークス人と組織選書)
ここまで具体的だと文句なし。
読了日:06月21日 著者:蒋 麗華
アニメ文化外交 (ちくま新書)
新たな視点を与えてくれる驚天動地の日本商業アニメの経済的政治的可能性を探る、意外に格調高い本。『NARUTO』を読まねばなるまい。いや、見なければなるまい。そんな気分になる有益な本。
読了日:06月19日 著者:櫻井 孝昌
水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)
ボスが二人、怪しげな敵ボスが一人。強者たちが十人ほど。開戦前夜は誰でも迷う。その迷いが志をともにする者が増える過程で薄らぎ、自信に変わって行く。
読了日:06月19日 著者:北方 謙三
GIANT KILLING(14) (モーニングKC)
タッツミーに挫折はあったのか。常識はずれの何かがあったに違いない。
読了日:06月07日 著者:ツジトモ
アイアムアヒーロー 1 (ビッグコミックス)
映画『アイアムアレジェンド』のような話かもしれないがまだ犬は出ない。1巻と2巻を続け読み。犬は出ないが何かが出そう。
読了日:06月06日 著者:花沢 健吾
竹光侍 8 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
洒落と遊び心に満ちた秀作。漫画の原点に回帰する面もあり、贅沢な傑作。杖をつくネズミの名前がめし。気のいい甘えん坊の犬の名前がりき。覚えておきたい。
読了日:06月06日 著者:松本 大洋,永福 一成
大学論──いかに教え、いかに学ぶか (講談社現代新書)
大学だけでなく高校についても触れているし、漫画だけでなく民俗学にもふれている。妙な率直さに魅力がなきにしもあらずの一種の学問エッセイ。
読了日:06月01日 著者:大塚 英志
ダダ漏れ民主主義 メディア強者になる!
久々の「情報系」傑作。中身が濃く、抜群に読みやすい。不可能を可能にした。
読了日:06月01日 著者:日垣 隆
読書メーター
2010年5月の読書
5月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:3478ページ
AZUMI-あずみ- 4 (ビッグコミックス)
ひさしぶりの「あずみ」はやはり今でもせつない物語りをつづっている。
読了日:05月31日 著者:小山 ゆう
走る意味―命を救うランニング (講談社現代新書)
著者の自伝風長編エッセイ。闘病生活も含めてみずからの「走る」人生をかなり誠実に語っている佳品。
読了日:05月31日 著者:金 哲彦
ANGEL VOICE 15 (少年チャンピオン・コミックス)
チームとして戦い続ける基盤はできた。今後の展開に胸踊る。
読了日:05月30日 著者:古谷野 孝雄
できる人の「書きかた」「話しかた」 伝えたいことを確実に伝える表現力 [ソフトバンク新書]
読みやすいが具体的、実践的で要求度が高い。
読了日:05月30日 著者:吉野 秀
フィンランド式頭のいい子が育つ20のルール
日本式はどう見ても不利。フィンランド式は教育の原点だ。
読了日:05月25日 著者:小林 朝夫
残業ゼロ! 時間と場所に縛られない クラウド仕事術 (アスカビジネス)
読了日:05月24日 著者:岡田 充弘
ツイッターで会社をPRする本 Twitter企業の活用例100
ツイッターは営業として使える。人間関係を重視する営業だ。誠実さが最優先。人間性復活につながるという二十一世紀最高のツールなのだ。
読了日:05月23日 著者:ひらまつ たかお
武装酒場 (ハルキ文庫)
武装警察の突入をすべて斥ける酒場があった。人呼んで「武装酒場」だ。そうだ。<善次郎>へゆこう。
読了日:05月22日 著者:樋口 明雄
同期
乗せるのがうまい。現実よりもファンタジーに近い内容なのについ引きこまれてしまう。テレビドラマなら見なくても小説だとこのように読む。400ページ近くあっても一文が短めで端的。長さ、厚さを苦にさせない単純さも魅力。
読了日:05月15日 著者:今野 敏
きのうの神さま
きのうの神様が去り、代わりの神様が来たり来なかったり。昨日の神様を忘れて今日の神様を受け入れる。昨日の神様はどこかで今日の神様となったり、ならなかったりする。傑作「1983年のほたる」の女の子は医者になろうとするのかもしれない。読む者にさまざまなインスピレーションを与える作品集。
読了日:05月12日 著者:西川美和
破矛―斬馬衆お止め記 (徳間文庫)
主人公は真田藩斬馬衆の仁旗伊織か藩主真田信之か。矛盾に満ちた面白さ。シリーズもののはずが二作目で終わるのが二回目。次の作品は気宇壮大な歴史時代小説だと予感させる。
読了日:05月08日 著者:上田 秀人
自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)
あの「であることとすること」を再読しているような気分になった。哲学の時間。
読了日:05月05日 著者:森 博嗣
天空の陣風(はやて)
『陣借り平助』の続編。あいかわらず天下無敵の強さとやさしさが共存している。
読了日:05月04日 著者:宮本 昌孝
ONE PIECE 総集編 THE 10TH LOG (集英社マンガ総集編シリーズ)
雷・エネル編完結。幕を引く強引さは「ドラゴンボール」以上。再読だが読める。
読了日:05月02日 著者:尾田 栄一郎
ONE PIECE THE 9th LOG (ワンピース・ザ・ナインス・ログ) 2008年 5/10号 [雑誌]
雷・エネル編を雑誌判で読める喜びあり。コミックスでも読んだが絵も文字も縮小判で細かいところが見にくい。
読了日:05月02日 著者:
臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ
個人的な迷宮に迷い込み、右往左往しているうちに事件が起き、終わる。老いて逆に苛烈になった著者のこころの旅。
読了日:05月01日 著者:大江 健三郎
読書メーター
2010年4月の読書
4月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5363ページ
文章は写経のように書くのがいい
一定の速さでサクサクと書くことを勧める前半は親しみやすく読みやすい。後半「カルテ書きから学んだ効果的な書き方」「小説家タイプ・評論家タイプの書き方」「すぐれた文章は実用的」が実用的でいい。
読了日:04月29日 著者:香山 リカ
造花の蜜
町山ポッドキャストで聴いた映画『ヴァニー・レイクは行方不明』のトリックと通じるものを感じ、種明かしを楽しみにして読み、納得した。最後の「最後で最大の事件」は話の流れで解釈すれば、実は「警察は本物」だったことになるのでは。本物と思わせて偽物、偽物と思わせて本物。そうでなければ「最後で最大の事件」にはならない。誘拐と警察なりすましはテレビ『相棒』にもありました。
読了日:04月26日 著者:連城 三紀彦
からくりサーカス 2 (My First WIDE)
悪夢のような展開にかろうじて付いて行く。善治氏の気持ちに近づく。
読了日:04月26日 著者:藤田 和日郎
からくりサーカス 1 (My First WIDE)
奇想と超絶アクションの醍醐味。連載中はわけがわからなかったがまとまるとさらにわからない魅力で満腹になる。
読了日:04月26日 著者:藤田 和日郎
るろうに剣心 完全版 13 (ジャンプコミックス)
再読。「縮地」「志々雄」など技の名や人名が懐かしい。
読了日:04月24日 著者:和月 伸宏
寂滅の剣
思弁的な剣豪小説は意外な展開から意外な結末へ。なんにしろとりあえずやっと一息。とりあえず満足。
読了日:04月23日 著者:北方 謙三
鬼哭の剣
大傑作。四作目から読むことになったが全く問題なし。ハードボイルド時代劇。
読了日:04月21日 著者:北方 謙三
主語を抹殺した男/評伝三上章
著者によると三上章は最強の実践日本語文法の覇者ということになる。大野晋についてのことが本当ならまことに残念。三上章晩年の出来事も残念。現代に至るも正しい評価はされていないのだろうか。
読了日:04月20日 著者:金谷 武洋
iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏 (brain on the entertainment Books)
日本ではこれ以上電子書籍商戦は進まないという予感を抱かせる内容。新刊本の電子版を出す勇気のある出版社はない。きっと始めは作家が個人的レベルで始める。または規模の小さな出版社が先頭を切る。実にためになる本です。
読了日:04月18日 著者:西田 宗千佳
したくないことはしない
思い出話ジャンルのベスト。いい話は尽きることがない。『おかしな男』も読む。
読了日:04月18日 著者:津野 海太郎
アニメが「ANIME」になるまで―『鉄腕アトム』、アメリカを行く
副題「鉄腕アトム、アメリカを行く」の通り日本のTVアニメの受容史。具体的な解説で分かりやすい。
読了日:04月17日 著者:フレッド・ラッド
NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)
日本SFの発展の歴史をなぞるような構成・は偶然で必然。どれも個性的で読み終わった後も付いて離れないストーカー。
読了日:04月09日 著者:伊藤 計劃,円城 塔,北野 勇作,小林 泰三,斉藤 直子,田中 哲弥,田中 啓文,飛 浩隆,藤田 雅矢,牧野 修,山本 弘
マルチリンガルの外国語学習法 (扶桑社新書)
学習法論は普通だが、著者の体験談とトルコ語やカタルーニャ語などの説明が面白い。
読了日:04月06日 著者:石井 啓一郎
水死 (100周年書き下ろし)
「老い」もテーマの一つだが、豊かな物語の創造者の「老い」は感じられなかった。「老いてますます盛ん」を褒め言葉として使いたい。過去の作品を再読したくなった。
読了日:04月06日 著者:大江 健三郎
論文・プレゼンの科学―読ませる論文・卒論、聴かせるプレゼン、伝わる英語の公式
「読ませる論文・卒論、聴かせるプレゼン、伝わる英語の公式」が副題。すぐに実践できる。大事なことを誤解しようがないほどに簡潔かつ科学的に説明している。ページ数の多い類書を読む必要なし。この一冊を座右にとことん突き詰める。
読了日:04月04日 著者:河田 聡
“ことば”の仕事
ことばを使って世界を構築しようとしている九人のインタビュー。とても魅力的な語り。連載時を含めると三度めという文章もある。時々読み返したくなる本。
読了日:04月03日 著者:仲俣 暁生,大野 純一
知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る (新潮文庫)
かゆいところに手が届く。視野が広く、細かい部分についてもよく気がつく解説でとても良い。百ページほどの加筆で文句なし。
読了日:04月03日 著者:日垣 隆
読書のすすめ (岩波文庫)
どうしても時々こういう題名の本が読みたくなる。さまざまな雑談のようなものであって深刻なさはまったくないので気軽に安心して読めるからだろう。
読了日:04月01日 著者:岩波文庫編集部
錯綜の系譜―目付鷹垣隼人正裏録〈2〉 (光文社時代小説文庫)
客観的に自己分析して適切な行動を選択できる主人公とそれができないのに妙にプライドが高い忍者たちの腕比べ、知恵比べが面白い。が、上田節とでもいうべき独特の迫力がいま0.5ほど足りないような。珍しく物足りなさを感じました、すみません。
読了日:04月01日 著者:上田 秀人
読書メーター
2010年3月読書記録
3月の読書メーター
読んだ本の数:30冊
読んだページ数:7863ページ
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下
最後の最後に面目躍如の活躍で終わる。なんという理想的な展開。ベストセラーだから避けていたことを後悔。大傑作でした。
読了日:03月31日 著者:スティーグ・ラーソン
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上
金髪の巨人ニーダーマンがいつどこでどんなふうに出現するのかと不安を抱えているとそれ以上の怖い展開になっていく。同時に知恵比べという様相を呈すのが面白い。五冊めもまったく物語の手綱をゆるめない豪腕に驚き。
読了日:03月30日 著者:スティーグ・ラーソン
ONE PIECE総集編 THE 7TH LOG ”VIVI (集英社マンガ総集編シリーズ)
182話から218話まで読みやすい元の『少年ジャンプ』サイズで一気に再読。コミック版では味わえないゆとりの観賞。巻五十八がでるまではこれで渇きを癒す。
読了日:03月28日 著者:尾田 栄一郎
日本語は亡びない (ちくま新書)
目から鱗が落ちるとはこのことか。特に「地上の視点」と「上空の視点」の説明に感銘した。
読了日:03月27日 著者:金谷 武洋
14歳の君へ―どう考えどう生きるか
予想よりも堅実な内容で落ち着いて読めた。自分を信じることは考えることだ。
読了日:03月24日 著者:池田 晶子
夕陽妄語 8
物事を関連づけ、分析し、表現する。著者の面目躍如の舞台上。
読了日:03月23日 著者:加藤 周一
テメレア戦記III 黒雲の彼方へ
我慢の逃避行が続くのですかっとはしない。その分魅力的なキャラクターが新たに結構な数登場し、飽きがこない。1年に1冊ではじれったい面白さ。
読了日:03月22日 著者:ナオミ ノヴィク
ラクをしないと成果は出ない
『折れそうな心の鍛え方』と一緒に読んで活用するべし。
読了日:03月22日 著者:日垣 隆
のだめカンタービレ(23) (KC KISS)
50巻程度は続きそうだったのに完結した。のだめのこの後をもっともっと描いてほしかった。23巻とはあまりにも中途半端。「帰ってきたのだめと千秋」を是非。
読了日:03月20日 著者:二ノ宮 知子
おれはキャプテン(22) (少年マガジンKC)
横須賀選手が主役に躍り出る展開が何を生み出すのか、興味津々。しかし、残念な終わり方。作者のパッションはどこに、と不安になってきた。
読了日:03月20日 著者:コージィ 城倉
折れそうな心の鍛え方 (幻冬舎新書)
著者の持ち味、全面解禁。安心納得。引き続き今年も日垣節を堪能できそうでうれしい。「心の鍛え方」ジャンルのパイオニア。
読了日:03月20日 著者:日垣 隆
中学受験 SAPIXの授業 (学研新書)
文章がキビキビして気持ちよい。説明描写している授業の雰囲気がよく伝わってきた。まるで別世界のように感じた。
読了日:03月18日 著者:杉山 由美子
バカにならない読書術 (朝日新書 72)
文武両道の真の意味を教えてもらった。別々ではないのだ。本好き、虫好き、話好きたちの愉快な対談プラス養老さんの解説文。
読了日:03月18日 著者:養老 孟司,池田 清彦,吉岡 忍
ガラパゴス化する日本 (講談社現代新書)
国際化しているはずの日本が内向きにしか進んでいなかった。振り返れば細かなことから大きなことまでそれを示す出来事は結構あったなと納得。
読了日:03月16日 著者:吉川 尚宏
シャーロック・ホームズ最後の解決 (新潮文庫)
情報型の時代に似つかわしい「ソリューション」と言う題名。反面「老人」の名は最後まで伏せたままで「ファイナル」となる趣向。作者の趣味趣向が隅々にまで張りめぐらされた完全な短編小説。新潮文庫が題名を「シャーロック・ホームズ最後の解決」とした気持ちはわかりますが、これでは始めから読書のある喜びを奪い取ったも同然でした。
読了日:03月15日 著者:マイケル シェイボン
野分一過―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)
著者の顔が一番思い浮かぶのがこの小藤次シリーズ。本格ものよりも変格もの時代小説と呼びたくなる愛嬌あふれる楽しさがある。気楽に読める点では天下一品だ。
読了日:03月14日 著者:佐伯 泰英
ミレニアム2 下 火と戯れる女
真相のほとんどが明かされる。深刻な話のはずがどこか無邪気さというか奇妙な軽みがある。無敵の金髪巨人がどんどん不運な奴に成り下がっていくのがおかしい。面白さ抜群、ヒロインの魅力も満開。
読了日:03月14日 著者:スティーグ・ラーソン
ミレニアム2 上 火と戯れる女
リスベットの圧倒的な魅力は過去の事件に寄るものか。突然の消失。捕らえられたか、追跡中か、はたまた。いずれにしろ彼女は犯人の隙をうかがっているはず。
読了日:03月13日 著者:スティーグ・ラーソン
キンドルの衝撃
「衝撃」でかなり期待した。二つのインタビューはさすがによかった。「共存」はあまり考えつかなかったがそう言われればその通り。それだけに衝撃を感じなかった。肝心の「キンドル」やiPADについての文章が少なかった。もっと書いて欲しかった。
読了日:03月11日 著者:石川 幸憲
頭がよくなる速書き術―苦手な文章がスラスラ書けるようになる本
手書きのすすめ。「とにかく多く速く」書く。パソコンで書く時代になんとも古典的な話題が登場。内容は一理もニ里もある。
読了日:03月10日 著者:松本 幸夫
一箱古本市の歩きかた (光文社新書)
歩きかたよりも作りかた、作りかたよりも楽しみかたを客観視するのが難しいのに一定の距離を解説してくれているとても良心のつまった本。
読了日:03月09日 著者:南陀楼綾繁
翻訳家列伝101 (ハンドブック・シリーズ)
力作。編著者の呼吸が感じられるような文章がとりわけいい。これだけの大人数の著名人をうまくあんばいした上に読み物としても面白くしたのはさすがだ。
読了日:03月08日 著者:小谷野 敦
リ・クリエイティブ表現術―発想‐チューニング‐書き方
息苦しさを打ち破って自由な発想や表現力を身につけるにはどうするか。かゆいところにまで手が届くようなアドヴァイス。副題の「発想・チューニング・書き方」について悩んでいるひとのためのヒント集です。いっさい無駄のない良い本です。
読了日:03月07日 著者:津田 広志
35歳の教科書―今から始める戦略的人生計画
「正解主義」ではなく「修正主義」で生きる時代の到来。ひとつしかない正解を追い求めるのをやめて違う答え、違う方法、違う見方、自分が納得できる考えを柔軟に複眼的に求める生き方のすすめ。
読了日:03月06日 著者:藤原 和博
水神(下)
長吉の牛、つちが大石を引っ張っている場面にはらはらし、元助の犬、権の動きに不安を覚えながら読み続けた。切腹した菊竹の痩せ馬も気にかかる。人間たちもわりと剛毅かつ豪気でいい話を聞いたようで満足。
読了日:03月05日 著者:帚木 蓬生
ONE PIECE 巻57 (ジャンプコミックス)
伏線と人物が多すぎて思考回路がダウン。ついていけない。バーソローミュー熊についての謎が相当先の大団円に繋がりそうだが今巻では哀しいの一言。
読了日:03月04日 著者:尾田 栄一郎
水神(上)
江戸時代の筑後川治水工事に五庄屋の命がかかるという重い話の割りには品の良さやほのぼのとした雰囲気が漂っていて不思議に読みやすい。単行本なので構えて読み始めたが少なくともこの上巻はコージーミステリのようにすいすい読める。抜群に面白い。
読了日:03月04日 著者:帚木 蓬生
人生の色気
語り下ろし。著者が身近な存在に感じられるという勘違いが生まれる。蘊蓄に富む。
読了日:03月03日 著者:古井 由吉
映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?
映画の自分史を確認できた。そういえば突然料金が高くなり不思議に思ったことがあった。
読了日:03月02日 著者:斉藤 守彦
拮抗 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
上品な味わいのまま心地よく終わる。主人公にふりかかる危険も程よくデイック節健在と感じた。
読了日:03月02日 著者:ディック フランシス,フェリックス フランシス
読書メーター
2010年2月の読書
2月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:7205ページ
戦場取材では食えなかったけれど (幻冬舎新書)
面白いと書くと顰蹙を買うがこれは面白いし、ためになる楽しいという不思議な本。200ページの重量級本。ジャーナリスト日垣隆氏の面目躍如。著者の初期の本を読みたくなった。
読了日:02月28日 著者:日垣 隆
紙の本が亡びるとき?
書名が素敵。?付きでさらなり。WEBでリアルタイムに展開するのがよく似合うし、実際にそうしている人もいるはずだが、今の最先端の関心事項を文学的哲学的に惜しげもなく書き綴ってくれた労作。「紙の本」の現在と未来についてこれから出てくる数々の論考の先駆けとなる記念碑的評論だ。
読了日:02月27日 著者:前田塁
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
「ドラゴン・タトゥーの女」の活躍なしには始まらないし終わりもしなかった物語。男性陣はほとんどいけすかないが、女性陣はいずれも魅力的に描かれている。もっと地味だと予想していたが結構派手な展開で腹一杯。
読了日:02月27日 著者:スティーグ・ラーソン
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
名前に慣れたら一気呵成にいく面白さ。後半、ミカエルとリスベットの場面が目まぐるしく入れ替わるのは、このあと両者が劇的に交差するための伏線なのだろうか。この上巻だけでも十分面白かった。
読了日:02月25日 著者:スティーグ・ラーソン
Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える
インターネットの真の申し子がツイッター。世界中にあるさまざまな格差を越えて人々がつながるためのツール。読みながら自分もあれこれ考えずにいられなくなる魅力的な解説本。
読了日:02月24日 著者:枝 洋樹,林 信行,小林 弘人,津田 大介,武田 徹,高須賀 宣,岡野原 大輔,片瀬 京子,高橋 秀和,亀津 敦
大聖堂〈上〉 (新潮文庫)
ザ・物語というべき肉食系の欲望に満ちた妥協のない剛直な物語。読むのに時間はかかるが時間をかけて読む価値がある。
読了日:02月23日 著者:ケン フォレット,ケン フォレット,Ken Follett
日本語で書くということ
著者の過去約20年間にわたる思索活動の集大成。
読了日:02月22日 著者:水村美苗
日本語で読むということ
現代の日本では古風な感受性の女性であり、「文学者」という言葉が似合う男前の小説家である著者の力作評論またはエッセイ集。幸田文、加藤周一、祖母と母親、辻邦生夫妻、寅さんに触れた文章が良かった。
読了日:02月21日 著者:水村美苗
大河ドラマ入門 (光文社新書)
ありそうでなかったというか、書けそうでかけなかったというか、実は相当勇気がないと書いて出版できなそうなという意味で快著、または怪著。そこまで書かないと面白くないというところが多くあり、痛快だった。「入門」という言葉に目がくらむと大火傷しそうだ。
読了日:02月20日 著者:小谷野敦
入門! システム思考 (講談社現代新書)
禍福はあざなえる縄のごとし。
読了日:02月20日 著者:枝廣 淳子,内藤 耕
中島敦殺人事件
表題作の中編は中島敦や『たけくらべ』などをめぐる評論恋愛ディスカッション小説。後半にミステリーになるかと期待したがならず。「天皇と煙草」は最後におおきな罠が張ってあった。これはもしや傑作と思わせる。筒井康隆を連想した。
読了日:02月18日 著者:小谷野 敦
日本の公文書─開かれたアーカイブズが社会システムを支える
書名がやや地味なので見逃すところだった。そしたら三振だった。読後感は三塁打を打った気分。特に第三章は圧巻。ちょっと小さめの本だが山椒は小粒でもぴりりと辛いぞ。
読了日:02月17日 著者:松岡 資明
お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)
小説の栄養源が読書。貪欲な読書家は今日も読みたい本を探し回る。書くために読む。読むために書く。貪欲よりも獰猛な、というべきか。でも少しスランプかもしれない。今回は本の数が少ないから。
読了日:02月16日 著者:桜庭 一樹
映画館(ミニシアター)のつくり方
『ミニシアターのつくり方』から運営のし方、苦労のし方など全国各地でまさしく悪戦苦闘している人たちがいる。その記録的報告集。
読了日:02月15日 著者:映画芸術編集部
文学研究という不幸 (ベスト新書 264)
巻末の人名索引に著者の情熱を感じた。この人数を一手に引き受けられる才能と自信に脱帽。全く縁のない世界だが名前だけは知っている人が大勢登場したせいかミーハー的に面白く読めた。
読了日:02月14日 著者:小谷野 敦
ダウンタウンに時は流れて
研究留学時代の回想録。三十代の著者が出会った人たちとの交流が印象に残る。著者の明晰さが分析力だけでなく感受性や記憶遡及力にまで及んでいることがわかる。遺書ではないがそういう雰囲気もある。
読了日:02月13日 著者:多田 富雄
気候科学の冒険者 ~温暖化を測るひとびと (tanQブックス 5)
ゲスト研究者を呼んで行う東京大学気候システム研究センター(CCSR)のサイエンスカフェ独自の雰囲気をよく伝えている。聴衆を前にとても和やかで生き生きとした対談という趣になっているのはホストの中島映至氏の人柄に由来するものだろう。地球温暖化のことを知る上で基本図書の一冊。
読了日:02月13日 著者:中島 映至
怯えの時代 (新潮選書)
在野の哲学者の現代日本批評または終末論。「幸せ」になるためのキーワードは「連帯」この言葉の意味を考えることだという。
読了日:02月11日 著者:内山 節
ぼくたちの英語
「ぼくたち」は「英語教師たち」または「英語を教えている人たち」を指しているようで予想した内容とはずいぶん違っていました。普段考えていることを「ぼくたち」という視点を使うことでわかりやすく整理した本です。
読了日:02月10日 著者:黒田 龍之助
寡黙なる巨人
2001年に脳梗塞の発作に襲われた著者の闘病記かつ再生の記録。常に死を身近に置く著者は逆に「歩キ続ケテ果テニ熄ム」と喝破する。
読了日:02月09日 著者:多田 富雄
読書三昧 (1983年) (犀の本)
二十七年ほど前に出た本だが、古びていない。これがまことの読書三昧。その守備範囲攻撃範囲の広さは今でも屈指の存在であるに違いない。
読了日:02月09日 著者:篠田 一士
陰の季節 (文春文庫)
「陰の季節」の重低音が「地の声」「黒い線」「鞄」の三編にも鳴り響く。上意下達組織の中ではどんな人間も生きづらい。感傷も許されないほどだ。でもそういう場所で生きる人たちをぞんぶんに感傷的に描いた連作中編集。
読了日:02月07日 著者:横山 秀夫
虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)
過激な宮崎駿監督を養老孟司先生がやんわりと受け止めてとてもまじめな対談になった。
読了日:02月06日 著者:養老 孟司,宮崎 駿
本を生きる
上智大学卒業生および関係者による読書文集。影響を受けた本の紹介もいいが、その著者の生きた時代背景も興味深い。
読了日:02月05日 著者:
臨床瑣談 続
第4章の「煙草との別れ、酒との別れ」がいい。読みごたえあり。
読了日:02月04日 著者:中井 久夫
麗しのオルタンス (創元推理文庫)
語り口を楽しんで読む小説。『トリストラム・シャンディ』という大昔の饒舌なイギリス小説を思い出した。
読了日:02月03日 著者:ジャック ルーボー
抱擁
前田侯爵家に新しい小間使いとして入った18歳の娘の怪奇談。最後の最後で彼女の願いが叶う。
読了日:02月03日 著者:辻原 登
石頭なコンピュータの眼を鍛える (丸善ライブラリー)
読了日:02月01日 著者:佐藤 真一,齋藤 淳
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