2010年2月の読書

2月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:7205ページ

戦場取材では食えなかったけれど (幻冬舎新書)戦場取材では食えなかったけれど (幻冬舎新書)
面白いと書くと顰蹙を買うがこれは面白いし、ためになる楽しいという不思議な本。200ページの重量級本。ジャーナリスト日垣隆氏の面目躍如。著者の初期の本を読みたくなった。
読了日:02月28日 著者:日垣 隆
紙の本が亡びるとき?紙の本が亡びるとき?
書名が素敵。?付きでさらなり。WEBでリアルタイムに展開するのがよく似合うし、実際にそうしている人もいるはずだが、今の最先端の関心事項を文学的哲学的に惜しげもなく書き綴ってくれた労作。「紙の本」の現在と未来についてこれから出てくる数々の論考の先駆けとなる記念碑的評論だ。
読了日:02月27日 著者:前田塁
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
ドラゴン・タトゥーの女」の活躍なしには始まらないし終わりもしなかった物語。男性陣はほとんどいけすかないが、女性陣はいずれも魅力的に描かれている。もっと地味だと予想していたが結構派手な展開で腹一杯。
読了日:02月27日 著者:スティーグ・ラーソン
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
名前に慣れたら一気呵成にいく面白さ。後半、ミカエルとリスベットの場面が目まぐるしく入れ替わるのは、このあと両者が劇的に交差するための伏線なのだろうか。この上巻だけでも十分面白かった。
読了日:02月25日 著者:スティーグ・ラーソン
Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変えるTwitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える
インターネットの真の申し子がツイッター。世界中にあるさまざまな格差を越えて人々がつながるためのツール。読みながら自分もあれこれ考えずにいられなくなる魅力的な解説本。
読了日:02月24日 著者:枝 洋樹,林 信行,小林 弘人,津田 大介,武田 徹,高須賀 宣,岡野原 大輔,片瀬 京子,高橋 秀和,亀津 敦
大聖堂〈上〉 (新潮文庫)大聖堂〈上〉 (新潮文庫)
ザ・物語というべき肉食系の欲望に満ちた妥協のない剛直な物語。読むのに時間はかかるが時間をかけて読む価値がある。
読了日:02月23日 著者:ケン フォレット,ケン フォレット,Ken Follett
日本語で書くということ日本語で書くということ
著者の過去約20年間にわたる思索活動の集大成。
読了日:02月22日 著者:水村美苗
日本語で読むということ日本語で読むということ
現代の日本では古風な感受性の女性であり、「文学者」という言葉が似合う男前の小説家である著者の力作評論またはエッセイ集。幸田文加藤周一、祖母と母親、辻邦生夫妻、寅さんに触れた文章が良かった。
読了日:02月21日 著者:水村美苗
大河ドラマ入門 (光文社新書)大河ドラマ入門 (光文社新書)
ありそうでなかったというか、書けそうでかけなかったというか、実は相当勇気がないと書いて出版できなそうなという意味で快著、または怪著。そこまで書かないと面白くないというところが多くあり、痛快だった。「入門」という言葉に目がくらむと大火傷しそうだ。
読了日:02月20日 著者:小谷野敦
入門! システム思考 (講談社現代新書)入門! システム思考 (講談社現代新書)
禍福はあざなえる縄のごとし。
読了日:02月20日 著者:枝廣 淳子,内藤 耕
中島敦殺人事件中島敦殺人事件
表題作の中編は中島敦や『たけくらべ』などをめぐる評論恋愛ディスカッション小説。後半にミステリーになるかと期待したがならず。「天皇と煙草」は最後におおきな罠が張ってあった。これはもしや傑作と思わせる。筒井康隆を連想した。
読了日:02月18日 著者:小谷野 敦
日本の公文書─開かれたアーカイブズが社会システムを支える日本の公文書─開かれたアーカイブズが社会システムを支える
書名がやや地味なので見逃すところだった。そしたら三振だった。読後感は三塁打を打った気分。特に第三章は圧巻。ちょっと小さめの本だが山椒は小粒でもぴりりと辛いぞ。
読了日:02月17日 著者:松岡 資明
お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)
小説の栄養源が読書。貪欲な読書家は今日も読みたい本を探し回る。書くために読む。読むために書く。貪欲よりも獰猛な、というべきか。でも少しスランプかもしれない。今回は本の数が少ないから。
読了日:02月16日 著者:桜庭 一樹
映画館(ミニシアター)のつくり方映画館(ミニシアター)のつくり方
『ミニシアターのつくり方』から運営のし方、苦労のし方など全国各地でまさしく悪戦苦闘している人たちがいる。その記録的報告集。
読了日:02月15日 著者:映画芸術編集部
文学研究という不幸 (ベスト新書 264)文学研究という不幸 (ベスト新書 264)
巻末の人名索引に著者の情熱を感じた。この人数を一手に引き受けられる才能と自信に脱帽。全く縁のない世界だが名前だけは知っている人が大勢登場したせいかミーハー的に面白く読めた。
読了日:02月14日 著者:小谷野 敦
ダウンタウンに時は流れてダウンタウンに時は流れて
研究留学時代の回想録。三十代の著者が出会った人たちとの交流が印象に残る。著者の明晰さが分析力だけでなく感受性や記憶遡及力にまで及んでいることがわかる。遺書ではないがそういう雰囲気もある。
読了日:02月13日 著者:多田 富雄
気候科学の冒険者 ~温暖化を測るひとびと (tanQブックス 5)気候科学の冒険者 ~温暖化を測るひとびと (tanQブックス 5)
ゲスト研究者を呼んで行う東京大学気候システム研究センター(CCSR)のサイエンスカフェ独自の雰囲気をよく伝えている。聴衆を前にとても和やかで生き生きとした対談という趣になっているのはホストの中島映至氏の人柄に由来するものだろう。地球温暖化のことを知る上で基本図書の一冊。
読了日:02月13日 著者:中島 映至
怯えの時代 (新潮選書)怯えの時代 (新潮選書)
在野の哲学者の現代日本批評または終末論。「幸せ」になるためのキーワードは「連帯」この言葉の意味を考えることだという。
読了日:02月11日 著者:内山 節
ぼくたちの英語ぼくたちの英語
「ぼくたち」は「英語教師たち」または「英語を教えている人たち」を指しているようで予想した内容とはずいぶん違っていました。普段考えていることを「ぼくたち」という視点を使うことでわかりやすく整理した本です。
読了日:02月10日 著者:黒田 龍之助
寡黙なる巨人寡黙なる巨人
2001年に脳梗塞の発作に襲われた著者の闘病記かつ再生の記録。常に死を身近に置く著者は逆に「歩キ続ケテ果テニ熄ム」と喝破する。
読了日:02月09日 著者:多田 富雄
読書三昧 (1983年) (犀の本)読書三昧 (1983年) (犀の本)
二十七年ほど前に出た本だが、古びていない。これがまことの読書三昧。その守備範囲攻撃範囲の広さは今でも屈指の存在であるに違いない。
読了日:02月09日 著者:篠田 一士
陰の季節 (文春文庫)陰の季節 (文春文庫)
「陰の季節」の重低音が「地の声」「黒い線」「鞄」の三編にも鳴り響く。上意下達組織の中ではどんな人間も生きづらい。感傷も許されないほどだ。でもそういう場所で生きる人たちをぞんぶんに感傷的に描いた連作中編集。
読了日:02月07日 著者:横山 秀夫
虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)虫眼とアニ眼 (新潮文庫 み 39-1)
過激な宮崎駿監督を養老孟司先生がやんわりと受け止めてとてもまじめな対談になった。
読了日:02月06日 著者:養老 孟司,宮崎 駿
本を生きる本を生きる
上智大学卒業生および関係者による読書文集。影響を受けた本の紹介もいいが、その著者の生きた時代背景も興味深い。
読了日:02月05日 著者:
臨床瑣談 続臨床瑣談 続
第4章の「煙草との別れ、酒との別れ」がいい。読みごたえあり。
読了日:02月04日 著者:中井 久夫
麗しのオルタンス (創元推理文庫)麗しのオルタンス (創元推理文庫)
語り口を楽しんで読む小説。『トリストラム・シャンディ』という大昔の饒舌なイギリス小説を思い出した。
読了日:02月03日 著者:ジャック ルーボー
抱擁抱擁
前田侯爵家に新しい小間使いとして入った18歳の娘の怪奇談。最後の最後で彼女の願いが叶う。
読了日:02月03日 著者:辻原 登
石頭なコンピュータの眼を鍛える (丸善ライブラリー)石頭なコンピュータの眼を鍛える (丸善ライブラリー)
読了日:02月01日 著者:佐藤 真一,齋藤 淳

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