『二〇世紀英米文学案内 6 』トマス・ウルフ付録(研究社)

『二〇世紀英米文学案内 6 』(研究社・東京神楽坂)トマス・ウルフ付録

一九六六年八月 第三回配本

全8頁(2段組)*引用はすべて冒頭の文章。引用文の後の語句はキーワード。(丸付き数字は頁数)

1頁・表題・目次

1頁〜4頁「トマス・ウルフとチャペル・ヒル」杉木 喬(立教大学名誉教授・アメリカ文学)

ヴァージニア大学、ノース・キャロライナ大学、一九一六年九月十日、故郷アッシュヴィル、大学の所在地チャペル・ヒル、南部、大学町、十年ほど前の記憶
ダラムデューク大学、姉妹校のよう、ノース・キャロライナ大学はアメリカ最初の州立大学、デュークは煙草王ワシントン・デュークの建てた贅沢な私立大学、季刊『アメリカ文学』、「地獄門」、京マチ子の目、絶讃の声、地方の新聞記者、南部料理、赤土、一九一六年時代は人口一五〇〇ぐらい、木陰の多い庭
③上段・写真「ウルフがいたチャペル・ヒルの学寮」、蔦かずらのからんだ古い建物、一七九三年十月十二日はじめて礎石、創立記念日、開校式は二年後の一七九五年一月十六日、その日はひどい悪天候と悪道路、学生数約一〇〇名、多少南部自由主義の拠点、賄費は年額四ドル、一九一六年の九月のウルフの手紙、食費は月額三ドル
④今では南部有数の大学、「キャロライナ劇団」の創設者フレデリック・カッチ教授、その弟子にあたる劇作家のポール・グリーン教授、コッホ、コック(カッチ)、自分の熟知したことを書くべし、自伝的、詩的想像力、独創性の豊さ、一九二〇年六月ノース・キャロライナ大学を卒業、九月ハーヴァード大学の所在地ケンブリッジに移る。初秋。

4頁〜7頁「ウルフ再読」篠田 一士(都立大学助教授・イギリス文学)
④「ウルフをやったという学生にはついぞお目にかかったことがない。」
⑤「『時間と河について』が訳されていない。」「本国のアメリカでもウルフは文学の前景から姿を消している。」「過去の作家」、志賀勝アメリカ作家論』、有元清城先生、ユージン
⑥『時間と河について』、「ユージンはまさしくぼくの青春のヒーローのひとりだった。」「ウルフ熱」「いまみたいにアメリカ文学が一種の国民文学論的な自己満足におちいって、かえって身動きがつかなくなったときこそ、ウルフを再読することは又とない刺戟になるはずである。」「あの有名な舗石の件り」
⑦「プルーストの無意志的記憶の場面を思いださせる。」「二十年代から三十年代にかけて、多くのアメリカ作家がみずから exile となってヨーロッパにおもむき、」「トマス・ウルフはこの exile の経験を持った最後の作家だった。」

8頁・筆者紹介、大澤衛(おおさわまもる)、福田尚造(ふくだしょうぞう)、酒本雅之(さかもとまさゆき)、井出弘之(いでひろゆき)、田辺宗一(たなべそういち)、輪島士郎(わじましろう)、古平隆(こだいらたかし)

配本予告・次回(第4回)配本9月20日
マンスフィールド(チェーホフとならぶ短編の世界的名手)・伊吹知勢責任編集・人と生涯/伊吹知勢・評価/黒沢茂
前奏曲」「幸福」/朱牟田房子、「園遊会」「鳩の巣」/佐藤宏子、「ドイツの宿にて」「子供らしいこと」/海老根静江、年表・書誌/伊吹知勢・山本順子

20世紀英米文学案内 6 トマス・ウルフ

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人間と世界―トマス・ウルフ論集2000

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汝故郷に帰るなかれ―トマス・ウルフの世界

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天使よ故郷を見よ (上巻) (新潮文庫)

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天使よ故郷を見よ (下巻) (新潮文庫)

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トマス・ウルフの修業時代

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読書の楽しみ

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ヨーロッパ小説論

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二十世紀の十大小説 (新潮文庫)

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